新たな詐欺の手口「押し貸し」には注意しよう!:世の中の動きを斬る 2008年

新たな詐欺の手口「押し貸し」には注意しよう!

2008年05月25日

新たな詐欺の手口、「押し貸し」の事例を見て、なんと卑劣な奴がいるのかと怒りを覚えた。

しかしまぁ、良くぞいろんな手口を考え付くもんだ。
そうした知恵をもっと生産的・建設的に使えば世の中は良くなるだろうに。
新たな手口を知って良かった。

ネットオークションも気をつけないといけないな。
ご覧いただいた方も下記参考記事を参照に留意して欲しい。

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【詐欺】「勝手に振り込まれた3万円」
 その後かかってきた1本の電話

弁護士:横張 清威氏[著]

 オレオレ詐欺やヤミ金など被害者にお金を振り込ませる振込み詐欺が社会問題になっているが、今新たな詐欺被害が増えている。
 それが「知らぬ間に自分の口座にお金が振り込まれる」という詐欺だ。
 今回はこの奇妙な詐欺について見ていきたいと思う。

お金を貰った詐欺被害者

 「口座にお金が振り込まれました!」
 詐欺の被害者がこう口にした。何とも奇妙な詐欺の法律相談を受けたのだが、相談の概要は以下の通りだ。

 佐藤さん(仮名)は、自分の預金通帳の記帳を行ったところ、自分の知らない振込名で3万円の振り込みがなされていることに気づいた。
 色々と確認してみたが、誰が振り込んだかはわからず仕舞い。
 そこでそのまま放置しておくことにした。
 実は、しばらく経っても誰の振込か分からなければ、臨時収入にしようと内心ほくそ笑んでいたのである。

 ところが、振込まれてから1週間ほど経ったときに、佐藤さんの携帯電話に突然一本の電話がかかってきた。
 電話に出ると男性の声で 「○○ファイナンスの高橋(仮名)です。佐藤さんの携帯電話ですね。お約束の利息3万円が振り込まれていないのですが、きちんとお支払い頂けますか」 と一方的に要求された。

 何のことかまったくわからない佐藤さんは 「お金を借りた覚えはないのですが、何かの間違いではないでしょうか」 と答えた。

 すると、それまで丁寧な口調で話していた男が声を荒げて 「何を言っているんだ! 佐藤さん、すっとぼけるつもりなのかい? 一週間前に6万円借りたいというから、利息を引いた残額の3万円を振り込んだだろう」 と怒鳴った。

 あの3万円か・・・、佐藤さんは正体不明の振込のことを思い出すと同時に、背筋に冷たい汗が流れたのを感じた。

身に覚えのない借金

 佐藤さんはドキドキしながら 「確かに一週間ほど前に誰か分からない人から3万円の振り込みがありましたが、これは借り入れしたお金ではありません。私はあなたからお金を借りたことなどありませんよ」と高橋に告げた。

 すると、男は大声で捲し立てた。
「オイオイ!すっとぼけるのもいい加減にしろよ。頼まれもしないのに金を振り込む奴がいるかい。あんたが貸してくれと頼むから仕方なしに貸したんじゃないか。とにかく明日までに金利の3万円を振り込めよ」。

 佐藤さんが、振り込めと言われても振込口座を知らないと悲痛な声で訴えると、男は口座番号を告げ、「いいか、ちゃんと振り込むんだぞ!」と念を押して電話を切った。
 佐藤さんのシャツは汗でびっしょりと濡れ背中に張り付いていた。

 実際、佐藤さんは○○ファイナンスからお金を借りた覚えなどない。
 しかし高橋が言うように、頼まれもしないのにお金を振り込む人などいないだろう。

「誰か別人が自分を名乗って借りたのか? としても、自分の口座番号や携帯電話番号をどこで知ったのだろう。自分の友人が伝えたのだろうか」。
 いろいろと思案したが謎は一向に解決しなかった。

 翌日、3万円を振り込むべきか佐藤さんは悩んでいた。
 悩んだ挙げ句、すでに振り込まれている3万円は返却しなければならないと思い、3万円を金利としてではなく返却する意図で振込を行った。

恐怖の借金取立て

 しかし、3万円の振り込みから1週間が経過したときに、また佐藤さんの携帯電話が鳴った。

【詐欺】「勝手に振り込まれた3万円」
 その後かかってきた1本の電話

 「佐藤さん、困るんだよ。今週の金利3万円の振り込みがなされていないじゃないか。明日までに必ず払ってくれよな」 あの男だった。

 佐藤さんは勇気を振り絞り、断った。 「先週の3万円の振り込みは金利として支払ったのではありません。最初の3万円を返却しただけです。今後一切の振込を行うつもりはありません!」。

 すると男はまたも逆上する。
「何言ってんだ、この野郎!きちんと約束を守って貰わなければ困るんだよ!先週3万円振り込んだだろう。あれは借金を認めたってことだ。ゴタゴタ言わずに利息を支払えよ。さもなければお前の家に乗り込むぞ!お前の家は○○町の○○番地だろ」

 自宅の住所を知られている――佐藤さんの頭の中は真っ白になった。
 なぜこの男は自分の自宅の住所まで知っているのだろうか。
 本当に乗り込んできたらどうしよう。
 恐怖にかられ、佐藤さんは頭が真っ白になってしまった。
 そして翌日3万円を振り込むと続けて、その翌週も3万円を振り込んだ。

 しかし事態は悪化していく。
 なんとその後、佐藤さんの口座に見知らぬ者から10万円の振り込みがなされていたのだ。
 それを見て佐藤さんはゾッとした。
「また○○ファイナンスの高橋か」と。

 しかし、その1週間後に電話をかけてきたのは××金融の加藤(仮名)と名乗る者であり、高橋とは別人であった。
 加藤は高橋と同様に、佐藤さんが借金をしたこと、利息として10万円支払わなければならないことを告げた。

 佐藤さんはこの段階に至り、せっぱ詰まって私に相談してきたのである。

「押し貸し」のカラクリ

 その話を聞いて私はピンときた。
 過去に似たような詐欺の話を聞いたことがあったからである。
 私は佐藤さんに 「ネットオークションを行ったことがありませんか」 と尋ねた。
 案の定、佐藤さんは「昔、数回やったことがありますが・・・」と答えた。

 この詐欺は、無理矢理貸し付けを行うことから「押し貸し」と呼ばれている。
 この詐欺のカラクリは以下の通りである。

 ネットオークションに出品する者は、自分の住所・電話番号・銀行口座などの情報をお客さんに伝えることになる。
 詐欺師はそこで知った銀行口座にお金を振り込み、後は金利を払えと怒鳴るというものである。

 お金を振り込まれた人は、すでにお金を受け取っているという負い目から返金に応じやすい。
 また、住所なども把握されているので脅しに屈しやすいという特徴もある。
 ちなみに××金融の加藤は○○ファイナンスの高橋から「カモ」だということで紹介された詐欺師であろう。

 これは、オレオレ詐欺やヤミ金の派生であるが、先にお金を振り込むという点でリスクはあるものの巧妙である。
 佐藤さんも私の説明ですべてを理解した。
 その後は私が○○ファイナンスの高橋と××金融の加藤と刑事告訴を背景に話を付けて無事解決した。

 自らの個人情報をむやみに晒すことは危険であるという一例である。

2008年05月25日|コメント (0)トラックバック (0)

カテゴリー:ザ・事件

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